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★日本版エグゼンプションの問題点 現在の労働基準法では原則として1日8時間、1週40時間以内で労働時間を設定することが義務付けられていて、これを超えて労働させる場合は、選挙などによって民主的に選出されたその事業所の過半数を代表する者、または過半数が加入する労働組合と書面を取り交わして、その事業所を管轄する労働基準監督署に届け出ることを義務付けています。これが、いわゆる「36協定」と呼ばれるものです。 そして、1日8時間、1週40時間を超えて働いた分については、残業代を125%増の割増で払うことが義務付けられています。 適用除外となった場合、この36協定なしで何時間でも(24時間でも!)働かせることが可能になり、会社は残業代の支払いも必要なくなります。 「うちの会社は36協定無しで残業しているし、残業も一切支払われないサービス残業。どちらにしろ、違法だから関係ない」という方もいるかもしれません。 しかし、36協定がなければ残業を拒否する「権利」があり、36協定無しであっても残業をすれば残業代を請求する「権利」があるのです。日本版エグゼンプションは、こうした「権利」を奪うものなのです。 また「どうせ、うちは長時間労働の職場だから…」という方もいるかもしれません。しかし、現在の労働時間制度があるために、生活時間と労働時間の区別が可能になっているのです。労働時間の適用が除外されてしまえば、生活時間と労働時間の区別を限りなくあいまいになり、例えばいったん仕事を終えて会社の帰りに一杯やっているときに呼び出されたり、休日に家族と余暇を楽しんでいるときに仕事の問い合わせが相次いだり…といったことが頻繁に起こることが予想されます。しかも、割増賃金はゼロ! さらに、日本版エグゼンプションの対象者を、現在の労働時間規制に馴染まない「自立的に働く者」としているため、どんなに長時間働くことになっても、それは「仕事を早く片付けられなかったあなたの責任」=「自己責任」とされてしまいます。このため、長時間労働で心身の健康を崩しても、それは「自己責任」とされてしまうおそれが高いのです。 長時間労働は心身の健康に大きなダメージを与え、最悪の場合は過労死を引き起こすこともあります。このような場合に、行政に労災申請を行う、あるいは企業に責任を求めて裁判をするときは「会社はその人を何時間働かせていたか」が大きなポイントになります。しかし、日本版エグゼンプションでは、長時間労働は「自己責任」ですから、このような場合であっても「会社はその人を何時間働かせていたか」は、問題とされなくなってしまいます。 実際に、日本がモデルにしているアメリカでは、このように24時間仕事に追われ、心身の健康を害しているケースが報告されています。まさに、ワーカホリックを作り出すための法律といっても過言ではありません。私たちが「過労死促進法」「24時間働け法」などと呼ぶのは、このためなのです。 |
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