厚生労働大臣 柳 澤 伯 夫 殿
労働政策審議会労働条件分科会 分科会長 西 村 健一郎 殿
過労死をなくすために、全国過労死を考える家族の会は
「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」の法制化に
強く反対いたします
 
私ども、全国過労死を考える家族の会(以下、家族の会)では、結成以来20年近く、毎年毎年「過労死」を無くすために、日本の企業社会に対し警鐘を鳴らしてきました。また、厚生労働省に対し、「過労死」の補償と予防の改善を訴えてきました。しかし、「過労死・過労自殺」は、減るどころか増加の一途をたどっています。
 結成当時は、4050代の働き盛りの脳・心臓疾患による過労死が多数を占めていましたが、最近では2030代で倒れる方が増え、過労自殺も増加しております。その結果息子や娘が犠牲となり、年老いた父や母が、中には一家全員で私どもの「家族の会」に入会してこられます。
 こういった現状を無視して、厚生労働省が緩みに緩んだ労働基準法の労働時間制をさらに緩めようとしていることに、私どもは非常に危惧しております。
 
 わが国では昔から、残業が賃金に表れないサービス残業が横行してきました。
それに加えて「裁量労働制」、「成果主義賃金制度」が導入された結果、無制限に働かされ、過労死・過労自殺はますます増加してきています。
「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」として「自由度の高い働き方にふさわしい制度」が提案されていますが、この制度は、現在のサービス残業をさらに合法化して、際限なく長時間労働をさせることができ、しかも人件費やコストは増えないという、企業にとってはまことに都合のよい制度です。それにもかかわらず、対象労働者の要件はいずれも曖昧で、しかも健康確保措置を含めて労使委員会の決議に委ねるのであれば、企業の自由度は増すばかりで、労働者にとって何の歯止めにもなりません。これは、真面目に働く人たちの過労死・過労自殺の増加に一層拍車をかける、非常に危険な制度です。私どもは決してこれを容認することはできません。
他方、時間外労働の限度基準の引き下げや割増賃金率の引き上げ、年次有給休暇の取得促進など長時間労働を防止する措置は、単なる努力義務にされるなど、実効性のある内容の提案とはなっていません。
 家族の会は、規制を緩和するのではなく、労働基準法が定めている、「一日8時間労働・週40時間制」をきちんと企業に守らせて欲しいのです。
私ども「全国過労死を考える家族の会」は、以下のことを要請いたします。
 
@      8時間労働制度をなし崩しにする「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」である「自由度の高い働き方にふさわしい制度」の導入に強く反対します。
A      労働者の命と健康を守るため、労働基準法その他の労働法規を企業に厳格に守らせて下さい。
B      過労死・過労自殺を出した企業は、厳格な行政指導のほか、社名を公表するとともに、厳罰を科して下さい。
 
20061211
 
 全 国 過 労 死 を 考 え る 家 族 の 会
 
東京過労死を考える家族の会
大阪過労死を考える家族の会
名古屋過労死を考える家族の会
長野過労死を考える家族の会
京都職対連労災被災者家族の会
岡山過労死を考える家族の会
兵庫労災を考える家族の会
山梨過労死と労災問題を考える会