「労働ルール総破壊NO! ひょうご連帯会議」結成の呼びかけ
労働組合 各位
                                  2006年10月3日

     ひょうご労働法律センター
代表委員 末広 英樹(全港湾神戸支部執行委員長)
   同       小西純一郎(ひょうごユニオン委員長)   

     同       上原 康夫(弁護士・大阪労働者弁護団)  
     同   酒井 浩二(尼崎地区労働組合人権平和センター議長
     同       福田 義幸(神戸地区労働組合協議会副議長)
貴組合の日頃の活動に、心から敬意を表します。
すでにご承知のことと思いますが、厚生労働省の労働政策審議会・労働条件分科会において、「新たな労働契約法制」および「労働時間法制(労働基準法)の見直し」についての審議が進められています。現在、同労働条件分科会は月3回開催というハイペースで設定され、内容検討議論のヤマはこの10月〜11月にかけてといわれ、厚労省事務局は「年内に結論をまとめ、年明けに法案建議を経て通常国会(来年2月)に法案上程」というスケジュールを堅持しているようです。
 各方面から指摘されているとおり、審議されている両法案には、看過できない数々の問題点が存在します。
 
 「新たな労働契約法制」の最大の問題は、使用者が一方的に作成する就業規則を、労働者と使用者とが対等な立場で合意した「労働契約」と推定し、労働条件の(不利益)変更にあたっても、就業規則の「合法的な」変更手続きをもって合意が成立したと「推定する」とする点にあります。当然に、就業規則(変更)の内容は合法かつ合理的であるべきとの条件は付けられていますが、「不合理」の立証責任は労働者側に負わされています。
労働組合が存在する事業場においては、「当該事業場の労働者の見解を求めた過半数組合との合意」が絶対の力を持ち、小数組合は実質的に団交権を喪失します。また、圧倒的多数である労働組合が存在しない職場については、「労働者多数代表との合意」あるいは「労使委員会での決議」などが再浮上することは必至と見なければなりません。
一方「労働時間法制の見直し」の本丸は、「自律的労働にふさわしい労働時間制度の創設」にあります。すなわち「自律的な働き方をする労働者」について、労働時間規制、休息および休日規制、割増賃金規定、深夜割増規定の適用を除外する、というのです。この「適用除外」の対象となる「自律的労働者」の要件についての議論は今からですが、労働者の一部について労働時間規制の対象から外すことがひとたび実現すれば、その適用拡大が止め処なく進み、やがて労働時間規制法制そのものが有名無実化することになります。それは、『労働者派遣法』の成立とその後の経過において、私たちが経験したとおりです。
そもそも、現行の労働時間規制法制のもとですら、最低限の法律すら守ろうとしない使用者が後を絶たず、残業代不払い(サービス残業)の横行とともに、長時間労働が深刻な社会問題を惹起していることは周知のとおりです。メンタルヘルスの深刻化、過労死・過労自殺、そして出生率低下。使用者の暴走をからくも止めているのは、いざとなれば問われる「労働時間管理義務」と「健康・安全配慮義務」のみという指摘すらあるほどです。今回の「労働時間法制の見直し」は、これら使用者の最低の義務さえ免除しかねません。
私たちは、日本の労働社会がいま、労働ルールの総破壊、労働権崩壊の危機の淵に立っていると認識しています。『労働者派遣法』の相次ぐ改悪によって、“人間賃貸し”業はほとんど無規制となり、非正社員が雇用者の過半を占める日はそう遠くありません。非正社員は、劣悪な労働条件の下で、有期労働契約の反復によって常にクビの不安にさらされながら働き、正社員への「チャレンジ」を強いられる。その一方で正社員は、賃金にも反映しない長時間労働を強いられ、過労死と隣り合わせで働く……。私たちは、このような労働社会を次の世代に残したくありません。今こそ、労働組合が「労働ルール総破壊NO!」の声をあげ、行動を起こさなければならないと思います。
折しも、去る81日には、東京で「労働時間規制の撤廃に反対し、人間らしく働くための労働法制共同アピール運動実行委員会」が立ち上げられ、すでに対厚労省行動などの運動を開始し、全国に組織づくりと行動開始を呼びかけました。私たちはこれに応え、県下の心ある労働組合に対して共同行動を呼びかけるとともに、そのための結集軸として、「労働ルール総破壊NO! ひょうご連帯会議」の結成を呼びかけます。
ついては、下記要領で「連帯集会」(結成集会)をおこないますので、ご参集をお願いする次第です。
 
 「労働ルール総破壊NO! ひょうご連帯会議」結成集会
    日時:10月31日(火)午後6時30分〜
    神戸市勤労会館・308号
    「情勢報告と提起」 田島 恵一氏
労働政策審議会・労働側委員(全国一般前中央委員長)
    集会前段には、兵庫労働局への申入れ行動を設定したいと考えております。詳細は追ってご連絡致します。
以   上